うさぎの国を旅しました



北ウェールズ


  〜 北ウェールズへGo! 〜


 
【6】


やっと春のピークのばたばたから開放されたように思います
(頭の中身も含めて・・・)

お天気の良い時はやっぱり外に出たくなりますが、
我が国の行楽地や街は余りにも人が多く・・・
同じ島国でも“混む”という間隔が違う
この国の小さな町の中心地へ出かけてみました

お城では突風も時折吹くほどの荒々しさを感じましたが、
塔の上から眺めた町の様子は
何となくほっとする箱庭のようにも見えました

おなかも空いてきたし、
暖かいお茶も欲しくなった頃、
お城の入り口にあるこの町のツーリストインフォメーションのおねいさんに尋ねた
お薦めのティールームへ向かうことにしました












 【コンウェイの町】

To ConwyTown
Conwy map


コンウェイの町の地図
コンウェイの町の地図 ツーリストインフォメーション ★コンウェイ城
ランカスタースクエア

ご覧の通り13世紀に造られた城壁がぐるっと町を囲んでいる
徒歩で一周してもわずか2時間くらいの
小さな箱庭のような町です
(もちろん、この城壁の外にも住んでいらっしゃる町部分はありますが・・)

最初に尋ねたツーリストインフォメーションでのお薦めティールームは
EのAnna's tae rooms

先ずはお城からCastle Streetを下るようにして
賑やかな通りをそのカフェを目指しました

観光客らしい人々や地元の人たちの流れに沿って
ウィンドーショッピングも楽しい通りです

通りのショップ

お城を背にしてぷらぷら歩いていたら
双子のわんことお散歩のおじいちゃんがとても良いコンビだったので
つい写真をお願いしてしまいました
(この国のおじいちゃん達はハンティング帽が良くお似合いです)

そして、お向かい側には1589年建・・400年以上も古い家が建っていたり・・・と・・・

おじいちゃんと双子のわんこ 1589年建造の古い家

このCastle Streetはメインストリートではありませんが、
雑貨屋さんやアウトドアショップなどなど・・・
お城見学の後町へ出るのにこの道を通りますから
自ずと人通りやショップも充実しているのでしょう
教会タワーから見えたこの道です

教会タワーから見たCastle street
教会タワーから見たCaslte Street

海に近い町として必ずあるフィッシュ&チップス屋さんもありました!

絶対に美味しいに決まっています

フィッシュ&チップス屋さん

そして、目指すティールームはこの通りの中程
英語とウェールズ語と2通りの文字の看板で描かれていました
ここはやっぱりウェールズ!


お薦めのティールーム ティールームのメニュー


ツーリストインフォメーションのおねいさん
お薦めのティールームAnna's tea rooms
中は撮影できなかったけど
たくさんのお客さんが詰まっていました

ティールームは遅めのお昼時とあって
外から見ただけでも沢山の人々が楽しんでいました
外の手書きのメニューも今見て美味しそうな品揃えです

特にランチスペシャルのホームメイドスープに選べるサンドイッチのセットは
きっと入っていたら選んでいただろうな〜・・・、でも・・
チーズとポテトパイも美味しそう



恥ずかしながら好き嫌いの多い私は
チーズ&ポテトの組み合わせはこの国で食べられるようになった組み合わせの一つ
(チーズが苦手だった・・・

しかし、もう少し通り見てみたかったので
ここにはあとで戻ればいいやーと
このティールームを通り過ごし先に進むことにしました



このCastle streetとメインストリートであるHight Street(ハイ・ストリート)が交差する角に
大好きなナショナルトラスト・ショップがありました

入るときにやけに古い家だな〜傾いているよ、こりゃ・・と思ったのですが
実は後から案内を見るとこの家は中世の時代そのまま残されている館で
『アバーコンウィ・ハウス−aberconwy house』
上のマップdになります


アバーコンウィ・ハウス
アバーコンウィ・ハウス

中世の館は当時の税金の取り方により
2階が張り出していました

その状態でこの大きな館は1階がナショナルトラストショップとして、
2階は当時の生活を展示した見学のできるナショナルトラスト所有の館のようです

1階のナショナルトラストショップ ハイ・ストリートから見たアバーコンウィ・ハウス

左は1階のナショナルトラストショップ、右はキャッスルストリートを曲がり、
ハイストリート側から見たアバーコンウィ・ハウス


ここで、この町のメインでもあるハイストリートへ入りました

町の大通りとは言っても両サイドには可愛らしい店並みが続き、
雑貨屋さん、ホテル、チョコレート屋さん、お惣菜屋さん、キッチンツールショップ・・・


ミートパイやフィッシュパイ バラブリス ジンジャーマン・クッキー

右は美味しそうなパイが並ぶお惣菜屋さん、
真ん中はそのショップにあったウェールズのお菓子、
バラブリス・・葡萄が沢山入っているお菓子でとても美味しいです
右はお馴染みのジンジャーマン・クッキー
ウィンドーを覗く度に足が立ち止まってしまうのは
やっぱり食料関係のお店

そして、通りの中ほどに人々がぞくぞくと入っていく大きなお店が目に留まりました
それが下の写真です

マーケットホール マーケットホールの入り口

町の中心にあるマーケットホール

中に入ってみると、Cの文字を下に向けたようなホールになっていて、
右からお肉、お魚、チーズ、サンドイッチ屋さんになっていました
中央にはお野菜、という地元の人たちの買い物場所でした

ハムコーナー
ハムのコーナー
美味しそうなのでついつい買いたくなります
オリーブやチーズのお惣菜もありました

パイ屋さん
いろんな種類のパイ
ミートでもチキン、ポーク、ビーフ・・
フィッシュや野菜のパイも
サンドイッチ屋さんのお嬢さん
1番人気のサンドイッチ屋さんのお嬢さん
笑顔がとても可愛らしかったので
・・・ちょっと照れていらっしゃったけど・・・
チーズ屋さん
種類が豊富なチーズコーナー
お肉のコーナーのお隣で目立つ場所にあり、
見ているだけで美味しそうでした

ここのサンドイッチは再び17時の閉店間際に立ち寄って
こちらのお嬢さんにターキーサンドを作ってもらい
その日に戻ったカーディフの宿での夕食になりました

胚芽米のパンにたっぷりの野菜と大好きなターキーを挟んで£1,85!
これはとってもお値打ちです!



そして、この日のお茶兼ランチに選んだお店は
ツーリストインフォメーションお薦めのティールームに戻らず
目についた可愛らしいお店に決めました


ハイストリート沿いのティー・ルーム
“Pen-y-bryn”Tea-Roomsです

ハイストリートも終わる、町の広場にお隣にもなる場所にありました
ちょっと窓から覗いたら人が沢山お茶を楽しむ様子が見れて
なんとなくこのTea Roomに入りたくなったのです

Pen-y-Bryn Tea Rooms
“Pen-y-Bryn”
見事にウェールズ語のお店なので・・・店名がわかりません・・・


とっても可愛らしい看板と窓辺だったので先ずは階段を上がり、
中へ入ってみると・・・
ぎっしりのお客さんたちが決して広い店内ではありませんが
低い天井に
人が行き来できるくらいのテーブルの空間や
暖炉や壁に掛かった古い写真が
これだけ人が居るのにほっとする空気が流れていました

スタッフのお姉さんがすぐに飛んできてくれて
今は満席で申し訳ないけれど30分くらい空くと思うから・・・と
気持ち良く言ってくれました

その言葉に嬉しくなって、また戻るから・・と伝えて再び外に出ました


ティールームの外のメニュー
階段のところにあったティールームの外メニュー
これを見て絶対にトライをしてみようと思った
“Walsh Tea”


更にこの通りを進むとこの町の中心になる広場の
Lancaster sq.,(ランカスタースクエア)に出ました

エドワード1世(?) ランカスター・スクエア

ランカスター・スクエア 
左は広場に立つエドワード1世かも・・・
でも、彼の提示したイングランド紋章は3頭の獅子なんだけど・・?
右の真正面の建物はこの町の警察署
とてもそうは見えない素敵な館です


後からこの館が警察署、ということが解ったのですが、
何かのオフィスか、B&Bかとその時は思いましたが・・・


そして、もう一つ見所の館がこの通りにありました
ケーキが気になって中には入らなかったのですが、
ウェールズ国内でも現存する
その時代の建物としては保存状態が最も良いとされている
1576年から18世紀にまでかけて拡張された
町中にあるマナーハウスと同じ豪族の館としては
このマンションハウスはとても珍しいもの

“Plas Mawr”
プラース・マウル

プラース・マウル

町の中心に建つこの大きな館を造ったのは
ウェールズ人のロバートウィン
彼はロンドンに出て財をなし、故郷に戻ってこの館を建設します
当時としては珍しいルナッサンス調のホールや
また北欧デザインやクレタデザインとも言われ
派手で明るい色調の部屋や家具を造ったそうです

大家族の問題には欠かせない遺産相続でもめに揉めた結果、
その後は貧民院、孤児院にまで使用された館でしたが、
1885年にロイヤル・カンブリア・アカデミー・オブ・アーツが
この建物を保護する目的もあり、現在まで修復しながら賃借しています


そんな歴史的建造物と現在の生活が密着している通りです

パン屋さん キッチンツールのお店 チョコレート屋さん

そして、ハイストリートのお店を再び見ながら
先ほどのティールームへ戻ると
スタッフのおねいさんが再び感じ良く奥のテーブルへ案内してくれました

店内には迷いそうな出来立てのホールのケーキも並んでいます

ケーキたち 出来たてタルト

左はチョコレートケーキやキャロットケーキなどなど・・右は丁度出来たてイチゴタルト

本当に本当に・・目移りしてしまって・・迷ったのですが・・・
ここは初志貫徹!ウェルシュ・ティーです!


案内された暖炉前のテーブルで待つこと約10分・・

居心地の良いテーブル暖炉前

おねいさんが持ってきてくれたのはこれ!
“Walsh Tea Set”


ウェルシュ・ティー・セット
ウェルシュ・ティー・セット £4.50也

昔から変わらないティーポットに2段重ねのスタンドに
葡萄入りの大きなスコーンにたっぷりのいちごジャムに軽めのクリーム、
そして、1度は食べてみたかったウェールズのお菓子
“バラブリス”

スコーンとジャム&クリーム バラブリス

左が上の段のスコーン、ジャム&クリーム
右が下の段のウェールズのお菓子バラブリス
このバラブリスは葡萄たっぷりでバターをつけていただくお菓子です

スコーンもしっとりをしていて、クリームも軽めなので全部いただけてしました

案内してくれた私の席は暖炉前で、前方の窓からはハイ・ストリートが見えます


テーブル越しのハイストリート
テーブル越しには通りが見えます
寒い時期には窓辺のスチームと暖炉が活躍するのかもしれません


さて、たっぷりとお茶もケーキも堪能して
再び通りに出、最後に眺め
今夜の宿の街カーディフへ戻るため駅へ戻りました


ハイ・ストリート
遥か対岸のスランドゥディノの丘を望むハイストリート

ランカスタースクエアまで出たら、
もう鉄道駅はすぐマジかです


コンウェイの鉄道駅
コンウェイ駅

そして、この駅から電車に乗りウェールズの首都宿のある街
カーディフを目指したのでした


車窓のアイリッシュ海
車窓の遥かかなたはアイリッシュ海

実は帰国してこの町をいろいろと調べてみると、
まだまだ見所は沢山あって
“世界1小さな家”や“セント・メアリー教会”やヨット・ハーバー・・

小さいながらも1泊してのんびりするにはお薦めの町Conwy

再び訪れる機会があったら
是非可愛らしいB&Bを見つけぶらぶらしたいなーと・・・
ちょっぴり未練残した小さな町でした








【おまけ】


  VS 


今回で『北ウェールズへGo!』は最後になりますが、
このページを作る時に改めてガイドブックや持ち帰った資料を見ると
イングランド対ウェールズの根深い戦いが現在にまで続いているのが
町やお城を見てつくづく思いました

その歴史は遥か13世紀にまで遡り、
イングランド王エドワード1世の招集に
当時のウェールズ国王スウェリン・アップ・グリフィスが
2度も無視し参上しなかった・・・ということが引き金となり
それが“謀叛”とされてしまいます

しかし、元々このエドワード1世という奴はウェールズに対して
何かのきっかけを待っていたようで
その後兵を整えて侵略、
最後の王とされるスウェリンをスノードンの山の中に追い込み、戦死させ、
まだ後継者のいなかったこの国にここぞ!とばかりに乗り込み
次々にこの国の文化、法律を壊し始め・・・
それに対して蜂起したウェールズの民を“鎮圧”するという名目で乗り出してきました


エドワード1世
ヘンリー3世の長男エドワード1世 
wikipediaより


このエドワード1世という国王は
イングランド至上屈指の賢王とも称えられる名君で
ウェールズだけでなく
映画「ブレイブ・ハート」でもお馴染みなスコットランドへの侵略にも長け、
この時代のウェールズで次々に建造されたお城は
この国での支配を正当化するため、
突貫工事で次々に建造した城でつないだ土地
(所謂“城の鎖”と呼ばれています)を
イングランドの支配に収めた王としても有名です

前回ご紹介したカナーフォン城を王宮所在地にし、
滅ぼされたウェールズ国王スウェリンが残したものを全て消し去る行為も次々にしています
(王の残した財宝を潰し、その金銀で食器に作り直し、ウェールズ文化の継承を絶つ)

そして、 仕上げにここ北ウェールズ内30km〜50km間隔で建てられた
お城の鎖でこの国は完全にイングランドに包囲されてしまいます

当時はその城が17つ建造され、
その内の14の城には城下町が造られ・・・次々にイングランド人を住まわせ、
元々の土地に住んでいた殆どのウェールズの人々は
その町から追い出され、
高い地代や強制移住、厳しい課税に苦しみ、
いたる場所で反乱が起こるも、
この計略と搾取が巧みであった王にことごとく鎮圧させられてしまいます

そして、このコンウェイ城を築城した天才建築家と言われた
ジェームズ・オブ・セント・ジョージをおフランスから呼び寄せ
もう一つの世界遺産登録されているお城
ハーレック(Harleck)城もそんな鎮圧強化のため新増築させました

その後は本拠地でもあるカナーフォン城にも着手しますが、
今までの巨大な資金繰りのツケが最後に来て
結局は48年かかっても
この城を王の願い通りの完成には至りませんでした
(現在でも未完成とされているお城です)

このエドワード1世はこの時代の人としは68歳の長い生涯と
15歳の十字軍遠征からの戦い経験などから
在38年の間にウェールズ、スコットランドを支配に収めた王として
残虐非道の王とも言われる反面、
スペインの王女カステリーナ姫との政略結婚にも関わらず
仲むつまじい生活も後世に残されています

こういった様々な出来事の積み重ねで今日までに
イングランドへの周辺各地の国々との軋轢は
こうした歴史が物語っていることは
毎年の六ヶ国ラグビー対抗戦にも繋がってくるのだな〜と
しみじみ思うのでした


しかし・・学校で習ったような聞き覚えのある
“プランタジネット朝”ってこの歳にしてやっと解ったなんて・・・
世界史の担任みきお先生、ごめんなさい・・ですねー







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